無人島に漂流して たどりつき もし自分以外が全部、異性だったらって 考えた事ってないだろうか?
絶対 モテモテになるのに間違いないのだけれど
そんなのを 映画 にしたのが、今、上映されている『東京島』 だ。
女 1人 に 男が 23 人・・・・・
えらい事になるのは、避けられない。 しかも 無法地帯だ。
ところで この映画・・・・ おそろしい事に 実話を元にして作られたそうだ。
1944年から1951年にかけて
太平洋戦争の最中 米軍機の攻撃を受け 三隻の日本の船の乗員が、太平洋マリアナ諸島に浮かぶアナタハン島に漂着した。
はじめの段階で 男性31人 女性1人。
言うまでも無く 島で たった一人の女性をめぐり 奪い合いのような状態になった。 一時は、三人の夫を持ったりもしたのだが 次々に男性達が、謎の死を遂げて行き
男性23人 女性1人 という状態にまでなる。
それで、危機感を抱いて 全員で話し合い 女性に正式な夫を一人選ばせ みんなで祝福しよう。 という事となった。
争いの元となる銃も壊して 海に沈め これで事態は収拾したかに見えた。
ところが、 やはり 争いが絶えず 女を全員で殺そうという事になった。
しかし 23人の男達の中で 一人が皆を裏切り 女に命が危ない と 密告した。
その後、女は、島中を逃げ回りながら生き延びる。 そして、逃げ回って 33日後、救出に来た米国船に乗り脱出した。
最終生存者 男性20人 女性1人。
この話を聞いて 今にして思い返せば、昔読んだマンガで、 多分・・・ このエピソードをモデルとして描かれたであろう作品が 2作 脳裏に浮かび上がってくるのである。
どちらも 戦記モノ なのだが、ひとつは、松本零士 の 『ザ・コックピット』 シリーズの一作品で、
確か 同じように無人島で 兵隊多数と女性の看護婦さん一人が守備しているのだけれど・・
圧倒的戦力を誇る敵に包囲され 攻撃されていて 間も無く 玉砕して 全員 死ぬのが確実な状況におかれていた。
ただでさえ戦争という狂気の状況なのに たった一人の美しい女性が、さらに胸を掻き乱す。 このままでは、間違いなく みんな、狂って 味方同士で 殺し合いをはじめてしまう。
で、どうしたのかというと、 全員で 島のあちこちに転がっている飛行機の残骸を集め 死に物狂いで組み立て 選ばれた若い兵士一人 と看護婦さん だけ 生きて脱出させる。
・・・・・ あとは、全員、敵と戦って死んだ。 という物語だった。
もう一作の方は、 水木しげる が描いた作品 。
こちらの方は、実際にあった話しを描いていて 日本軍(男性多数) と 敵(男性多数) が 丁度、戦う位置に住む現地人一家の話だ。
一家には父母の他に美しい娘が2人いるのだが 両軍が津波のように撃ち合う 真ん中に家が建っている訳だから 助けを求めてきた。
で、本当は、この一家は、悪い事をしている訳ではなく 犠牲者なのだが、
日本軍は、戦況から見て どうもこの後、皆が死ぬのは目に見えていて もうすぐ死ぬ若者というのは、人間としての本能で 強烈に誰かに種を残したくなるのだそうで・・・
これは、日本軍だけではなく 世界歴史上の どの戦争。 どこの国の軍隊でも 必ず膨大な人数の売春婦を用意しなければ 戦争が出来ない訳で・・・ それは、間も無く死ぬ・・ 半ば狂ったような若い男性にとって どうしても こうしても 死ぬ前に 火が付いたようにそうなる訳で・・・
明日もあさっても その後もずっと生きられる 私達には到底 理解できない事であるらしい。
それで、娘さんたちに 売春婦になってほしい。 と 助けるにあたっての条件を言い出すと 両親も 二人の娘も 言葉は通じないけど なんとなく解るのか 急に泣き出した。 というのである。
それは、とても とても 悲しそうであり それを見ている 膨大な数の仕官や兵隊も だんだんと悲しくなってきて いろいろ どうすれば良いのか みんなで真剣に意見を交わしあっているうちに訳がわからなくなり 頭が混乱しだし
結局 両親も2人の娘さんも一家全員 大切にして脱出させる事にした
そうして 一家が脱出した後 敵味方、壮絶な戦闘がはじまり
全員死んだ。 最後まで まったく楽しい事なんかなく 地獄のように苦しんで 苦しんで
おまけに 誰にも知られず 誰にも見取られることも無く・・・・・・
しかも 悲惨な死に方で 膨大な数の若い男性達の死体の山だけが、後に残った。
という実話だ。