『52ヘルツのクジラたち』を読んで
これも 本屋さんで 第一位 のコーナーに積み重ねられていた本
想像していたのと ぜんぜん 内容が違った
読む前は、クジラが登場して 海洋調査船とかが 活躍する、美しい海の自然を舞台とした… そんな感じの物語だろう と空想していたのだが
ぜんぜん違った(笑)
児童虐待 や 外に向かって声を上げられない少数派の人々の苦しみ を題材とした 重いテーマの作品だった
親に虐待される… っていうのが、子供にとって どれほど 辛いことなのか
虐待されてる子供は、学校が大好きだ っていう話を聞いたことがある
学校にいる時間は 安全
親から 殴られない ヤキを入れられない
ご飯を 食べさせてもらいない中で、学校給食だけは 誰からも邪魔されることなく 全部食べられる 希望のひと時だったのに違いない
親に 痛めつけられて、心を傷つけられて 最終的には 殺さされていった 子供たちは、夏休み や 冬休みに入るとき、どんな 暗い気持ちだったのだろう… と思う
虐待している親は、自分の虐待を 恥ずかしいと思うようで 子供の体にできたアザを 隠そうとする
半袖や 半ズボン 見えるところは痛めつけない
見えないところに 傷やアザ 火傷の跡が集中する
傷を先生に見つけられ、親に相談を持ち掛けられれば、その時はいいのだが
あとで、「お前が チクったんだろぅ!」 と、2倍、3倍に 痛めつけられる
だから、先生が親に話すのは 虐待児にしてみれば、いい迷惑だし、それ以後は 絶対に 隠し続けなければならない
唯一、心を開けるべき存在であるはずの親から 徹底的に傷つけられ、痩せて 衰弱していって 最期は苦しんで 苦しんで 死んでゆく
そういう子供が 後を絶たないのが、残念ながら 今の 私達の社会なのだ
まわりが、保護しようと動いても 親権を手放さない奴(親)もいて
そうなると殺されるか? 潰されるまで しないと… 虐待児童は解放されない
また その他にも この作品の中では、声を上げられない 少数派の人の 葛藤が描かれている
民主主義の 弱点は、こうした 少数派の人々が 無視されて 犠牲になることだろう
民主主義では 数の多い者が正義なのだ
北海道では アイヌなどの人種差別があるし、全国的に見れば ジェンダーの人たちだって 本当の自分になれず、隠している人たちも多いのではないだろうか?
そうした人たちの、耳には聴こえない 52ヘルツの 叫び声が この作品の中には 満ち溢れている
近いうちに 映画化されるみたいだね
こういった 人々に聴こえなかった声や 叫びが、社会に届いて 国民が意識するようになれば
世界を 変える事ができるかもしれないね
札幌でも 痛ましい 虐待死の事件が起こっている
子供は 死ぬまでに どんなに 苦しかったことだろう?
この作品を読んで
今は 一刻も早く 児童虐待 少数派への偏見が 社会から根絶されることを 心から祈っている